50代の染め替えの色
もう10年以上前の話になりますが
お得意様が
光沢のある白地の紬をお召しになりたいという
リクエストで、色々考えたすえ、
白山紬の白生地を染めずにガード加工して
誂えたことがあります。
確か、樋口可南子さんが
本の中でそんな着物をお召しになっていて
一目惚れだったようです。
まめにお手入れしていただいていたのですが
白地なので裾や袖口が、ちょっと変色してきたのと
生地が弱ってきているところもあったので
染め替えて仕立て直すことにしました。
白山紬の染めは擦れなどがでやすく
いつもは「引染め」(刷毛で染めていく)
してもらうのですが、なるべく費用をかけずにと言うご注文。
だいぶ生地もこなれて柔らかくなっているので
まあ大丈夫だろうと言うことで
普通の色無地など同じ「煮染」でお願いしました。
実は、若かりし頃、新品のぱりっぱりの白山紬を
「煮染」(浸染とも言う)で染め注文を出して
大失敗したことがあり
それ以来、紬の染めには大変気を遣うようになりました。
京都に送ってから上がってくるまでは
どんな染め物でも、楽しみと同時に
いつもちょっとドキドキしているのですが
思った以上に素敵な染め上がりでひと安心。
今回はきれいめのグリーン系です。(実物の方が素敵)
以前の50代の染めと言えば
茶系や濃いグレー、暗めのグリーンなどが多かったですが
今の人気は断然明るめの色。
お顔映りが綺麗でぐっと若々しくなります。
染め替えをお考えの方、お気軽にご相談下さいませ。
おまけ
家内に呼ばれて見てみると、今日は台風の去った後のせいか
空と雲のコントラストが鮮やかでした。