ほつれやすい
呉服店のお仕事に、着物のお手入れがあります。
礼装の着物を何年に一度しか着ないという方は良いですが、毎日お仕事できるような方は着物の消耗も激しいのでまめなお手入れが必要です。
丸洗いやシミ抜きはもちろんのこと、着ているうちにほつれ、目裂けなどの補修が必要になることがあります。今回もそんな着物をたくさんお預かりしました。
お預かりした単衣は2~3年ほど前に誂えられたとのことで、そんなに古いものではありません。ほつれがひどいのを不思議に思い、何が原因なのかいろいろ調べてみました。
反物の端を三つ折りにしたり、裏に折った部分を、縫い目が分からないよう縫うことを「くける」といいます。単衣の着物は裏地がないのでこの「くけ縫い」が満載です。
上がお店の縫い子さんが作った家内の単衣、したがほつれがひどい着物の同じ部分です。
ご覧の通り縫われている間隔が全然違います。
ほつれたほうの縫い目がかなり粗いです。
あと、すくっている表地の糸の本数も違うので縫い子さんに尋ねたら、「糸一本だと切れやすいので、私は2本位すくうようにしている」と言っていました。(話が細かすぎます!)
縫う方の技術やポリシーによって長持ちしたり、着心地に差ができるのは、考えてみたら当たり前のことかもしれませんね。