ぼて?つづら?
こんばんは。呉福屋、旦那です。
温かい日でしたね。札幌もようやっと、春めいてきました。
昔から、呉服屋につきものと言えば、
一反風呂敷に、五玉のそろばん、
そして これ
「ぼて」ではないでしょうか?
一般的には「葛籠(つづら)」と言いますが
私の周りにこれを「つづら」と呼ぶ人はあまりいません。
みんな普通に「ぼて」って言います。
関西でも「ぼて」と呼ぶみたいですから。その流れだと思います。
(そういえば東京の問屋さんは「つづら」と呼んでいたかも)
「おい、そこの反物ぼてにしまっておけ!」などとよく言われました。
ちょうど反物の巾があって、20-25反くらい入ります。
「つづら」といわれると、何故か「舌切り雀」の
悪いおじいさんしかイメージできなくて、ピンと来ません。
物心ついたときから、周りにいっぱいあったので
長い間、高価で貴重なものだとは思いませんでした。
ぼろになったから新品を買うか
修理に出そうと思い、問い合わせてびっくり。
職人さんが、もうほとんどいなくなってしまったとのこと。
それがすでに今から10年以上前の話です。
どうしても捨てられず、ぼろすぎて着物は入れられないけど
こんな姿になっても、使っているものもあります。
ぼろになったおかげで
漆の塗りや、その下に布や和紙を張って補強するなど
手間が掛かった職人仕事なのはわかります。
なんと言っても30年以上使いましたから。
職人仕事の貴重な「ぼて」、
お店にいらしたときや、呉服店で見かけたとき
ちょっと思い出してみて下さい。
お付き合い頂きありがとうございました。
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