無地染で失敗しないためには

お店の「白生地」を染めに出すのでこれを機会に

白生地の「無地染」や染め替えについてちょっとだけお話ししたいと思います。

 

染や染め替えを承るのは私たち呉服店の仕事の一つです。

最近は一時期よりも注文が減りましたが

それでも手持ちの色無地を染め替えたい方や、

既製品にはない自分色の無地を誂えたい方は結構いらっしゃいます。

 

白生地はそのまま、染め替えはきものを解いて反物に戻し、

染め色によって色抜きをしたり下洗いの後、染めることとなります。

染め色は「色見本帳」の中から選びます。

京染と東京染では見本帳の色合が微妙に違ってて、西と東の好みの違いがわかります。

 

見本帳は一冊に160色ほどで何冊も用意しています。

色見本は名刺の半分くらいの大きさ。

 

1-P1090780

反物に実際染め上がると、見本よりは明るく濃く見えるので、

あらかじめ計算に入れておかなければなりません。

お店の方とよくご相談しながらすすめることが肝心です

 

今回染めに出す内の一反がこの白生地。

1-P1090776

 

三丈物(八掛なし)で地紋は檜垣。

悩んだ末この色に決めました。

 1-P1090777

礼装でもカジュアルでもいけそうな、明るめの黄色です。

色無地の既成色になくて、お店の染帯との雰囲気が合いそうな色を選びました。

 

綸子や縮緬では同じ色で染めても違って見えます。

もう何十年もやっているのに染め上がりはお客様以上にドキドキします。

思った以上の上がりの時は、喜びもひとしおです。

「た」

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